土地・建物を所有すると、
管轄の市町村に「固定資産税」を
納付しなければいけません。
そのため、月々の住宅ローンの支払いが今までの家賃並みだったとしても
必然的にこれまでよりも負担は大きくなります。
それゆえ、出来るだけ負担が上がらないように
土地にせよ、家にせよ、無駄に大きくしないということを心掛けながら
家づくりをしていただくことをおススメしています。
というわけで今回は、固定資産税についてお伝えしていきたいと思います。
まず基本的な内容をお伝えしたあと、具体的に数字を当て込んでみますので、
最後までお付き合いいただけばと思います。
✔︎基本的な内容
固定資産税の税率は、各市町村によって若干異なる場合はあるものの、
基本的には1.4%となっており、
国が定める評価基準に基づいて算出した評価額から課税標準額を算出し、
これに1.4%を乗じた金額が固定資産税となります。
そして、この評価額は土地・建物それぞれ3年に一度見直されるのですが、
土地に関しては、経年変化によって価値が減少するものではないため、地価の上下によって価格が修正されます。
それに対して、建物に関しては、経年変化によって価値が減少していきますので、
固定資産税も下がっていくものだと把握しておいていただければと思います。
✔︎新築住宅の特例制度
土地の評価額は、国税庁が発表している「路線価」に土地の面積を乗じた金額なんですが、
土地に関しては、
建物が建っていれば、200㎡(=約60坪)以下の部分に関しては、課税基準額が評価額の6分の1になり、
200㎡(=約60坪)を超える部分に関しては、課税標準額が評価額の3分の1になるという特例措置があります。
また、新築住宅の建物に関しては、当初の3年間(長期優良住宅は5年間)に限り、
課税標準額が評価額の2分の1になるという特例措置があります。
とはいえ、建物の軽減措置に関しては、120㎡以内の部分に限るため、
これを超える部分に関しては、通常通りの評価額で計算されるので、
この点にも注意しながら家を建てることも1つのポイントとなります。
では、具体的に計算していってみますね。
例えば、300㎡の土地を購入したとしましょう。
となると、200㎡までは課税標準額が評価額の6分の1となり、残りの100㎡が3分の1になります。
そして、課税標準額が1㎡あたり3万円だと仮定すると、
200㎡までに関しては、3万円×200㎡×6分の1=100万円となり、
残りの100㎡に関しては、3万円×100㎡×3分の1=100万円となり、
これらに1.4%を乗じた、28,000円が固定資産税ということになります。
一方、同じ場所で購入する土地の面積を200㎡にすると、
固定資産税の金額が半分となります。
それゆえ、購入する土地の面積は200㎡以下にすることが、
ランニングコストとなる固定資産税の負担を減らすためには、欠かせない要素となります。
建物に関しても、120㎡以下に抑えておくことを意識していただくといいと思います。
当初3年間の税額を少しでも抑えることが出来ると同時に、
家が小さくなればその分固定資産税も確実に安くなるからです。
では、建物の固定資産税をざっと計算してみますが、
建物の課税標準額に関しては、計算方法がけっこう複雑なので、
ざっと購入価格の70%ぐらいで計算するといいと言われています。
購入価格が2000万円だとしたら、
2000万円×70%×2分の1×1.4%=98,000円が当初3年間の建物の固定資産税という感じで、
数年後、建物の課税標準額が20%減になったとしたら、
2000万円×70%×80%×1.4%=123,300円が、その時の建物の固定資産税になるという感じですね。
(建てると分かりますが実際はもっと安いと思います)
いかがでしたか?
固定資産税は、土地・建物を所有している限りずっとかかり続けるランニングコストです。
また、土地面積や建物面積が広くなれば、その分確実に高くなる仕組みになっています。
ですので、できるだけ無駄を省きながら、土地も建物も出来るだけ小さくすることを心がけていただければと思います。